ソチオリンピック雑感2

男子ジャンプの活躍も印象的だった。葛西選手のメダルを獲ることへの執念が、気迫が、テレビを通じてビンビン伝わってきた。多くの人たちに支えてもらっているのは他の選手も同じだろうが、年齢による衰えをすさまじいトレーニングで克服し、強靭な体力を保って、ラージヒル個人戦では銀メダルを獲得した。2回目のジャンプを終えメダルが確定した時、後輩たちが葛西選手を笑顔で迎えた。頼りがいのあるアニキなのだろう。そして数日後その力を一つにした日本ジャンプ陣、今度は銅メダルを獲得した。実に16年ぶりのことだという。個人戦で涙を見せなかった葛西選手も、仲間とともに勝ち取った表彰台に、周囲の目もはばからず泣いた。いや、4選手が泣いていた。

清水選手は不調が祟って一度代表を外されての復帰、竹内選手は難病「チャーグ・ストラウス症候群」と闘いながら、伊藤選手は2度目のジャンプ後に座り込んでしまうほどの膝の痛みに耐えながら飛んだ。葛西選手だって家族の病気や死去、所属会社のスキー部の廃止、ルールの改正、そして体力の衰え、それらすべてを克服して飛んだ。もちろんそこまでしても女神が微笑んでくれない選手もいる中で、彼らは素晴らしい仕事をした。そして、葛西選手は「今度こそ金メダル」を目標に現役を続行する。頑張ってほしい。

このオリンピックで、日本人が最も感動したのが、フィギュアスケートではないだろうか。何となく雰囲気の重い新種目の団体戦で躓いたが、端正な顔立ちの羽生結弦選手が世界歴代最高得点で金メダルを獲得。ようやく日本人選手たちにも明るさが戻った。ただ、フジテレビのブースでインタビューした三田という女子アナ、完全に仕事を忘れてメダルを見せろだ触らせろだと呆れるほどの傍若無人ぶり。メダリストをリスペクトする姿勢はまるで無く、終始「お友達目線」のインタビューには虫唾が走った。

羽生選手の良い流れで、これで女子フィギュアもいけるだろうと誰もが思ったに違いない。もちろん自分もそう思った。ところがSPの浅田選手は、ジャンプをことごとく失敗してまさかの16位。いったい何が起こったんだ? それは彼女が1番知りたかっただろう。自分も朝のニュースで流れた彼女の表情を見て、何かひどく困惑しているように感じた。そんな時にここでもマスコミのアホな質問が。「ちょっと我々も整理がつかない状況なんですが・・・」。おまえたちの整理と彼女の整理を同じレベルで問いかけるんじゃないよ、まったく。もう少しまともなことを聞けるヤツはいないのか?
 
前日、世界選手権を転戦する選手を追いかけているカメラマンに浅田選手のコンディションを問う番組を観た。「浅田選手が1番ナーバスになっているように見える。期待の重さからか自身に納得のいかない部分があるからかはわからないが、集中しきれていないから演技に力強さがない」と言っていた。多くの「○○のために・・・」がのしかかった結果だったのだろうか。

しかし、その直後から現役を含めた多くのスケーターから、浅田選手へ激励のメッセージが送られた。「明日は自分のスケーティングをすればいいじゃないか」「明日は楽しんで」等彼女は本当に世界中の選手から愛されているのだと感じた。そして24時間後彼女は8回のトリプルを成功させ、自己最高得点を更新した。演技が終わった後の涙を見て、思わず自分も泣いてしまった。きっとずっとずっと前から苦しかったんだろうな。その中で自分を出し切って納得のいく演技が出来たら、リンクのど真ん中だろうが世界に中継されていようが泣くよ。表彰台に上がった選手たちはもちろん素晴らしいが、今回は浅田選手にみんな持って行かれたな。勝負には負けたけれど、記憶に残るこんなオリンピックもあるんだと改めてスポーツの素晴らしさを味わうことが出来た。

雑感3へ続く


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