「偽装」と「やらせ」で失う信用

関西の有名ホテルの食品偽装が発覚してから、あちらこちらの宿泊施設やレストラン、はたまた老舗デパートからも出るわ出るわ、「誤表示がありました」と頭を下げるお偉方の姿に、信頼という重みのある言葉はただの飾りだったのかと、何とも情けない気持ちになった。昨日の「報道ステーション」でもずいぶん長い時間を割いてこの問題を取り上げていたが、正直「車海老」と言われて口に入れた瞬間に、これこそ車海老の味だとわかる人はそう多くはないだろう。言葉の情報によって耳や頭で味わっているのが普通ではないか。それを一流ホテルや老舗デパートがそれなりの価格で販売すれば、躊躇はすれど疑うことなどまったく無いはずだ。それが「信頼」なのだ。

あらゆる陰謀を「誤表示」で誤魔化し、どのセクションの担当者も「思い込み」で片づけた。管理態勢が甘かったと陳謝しているが、多くの人間が関わっているはずなのに誰一人として気付かないということが本当にあるのだろうか。それにしても「誤表示」とは、実に都合の良い言葉を見つけたものだ。

今回次々と企業が名乗り出たのは、意図的に偽装を行っていたことを指摘されるよりも、自発的に公表して少しでも世間からの風当たりをかわすことと、同時多発的に公表すれば消費者の視線を分散出来ると考えたからではないか。まさに「赤信号みんなで渡れば怖くない」である。
我が家はもともとブランド品には縁がないので実害はなかったが、たまにはちょっと贅沢してみようかと手を出したものが偽装品だったなんてわかった時には、その衝撃は計り知れないものがあるだろう。普段から贔屓にしていた方にしてみれば、その怒りは我々の比ではないだろうが・・・。

一方、「やらせ」が発覚して番組が放送中止となったCXの「ほこ×たて」。好んで観ていた番組だったので、裏切られた思いで憤りを感じている。出演したラジコンの世界チャンプ広坂選手からの告発で発覚した不祥事、その内容は常軌を逸したものだった。自分もラジコン好きだったので、彼が小学生の頃からその名前は知っていた。ラジコン一筋で来た人だから、聖域を土足で踏み荒らされたようなひどさにガマン出来なかったのだろう。ガチで勝負した企業も「やらせ」を疑われたというし、多くの協力者の顔に泥を塗ってしまった格好だ。
以前高視聴率を誇っていた「あるある大事典」でも不祥事があり、番組はあっけなく消えた。制作側が過ちを繰り返すのは、「面白くするためにはこれぐらい当たり前」という考え方が、視聴者の目線や世間の一般常識とことごとくズレているからかもしれない。事故現場でわざわざ寝た子を起こすような質問を浴びせるマスコミの取材も然り。カメラを抱えていれば何をやっても許されるという傲慢さと、失敗から何も学ぼうとしない体質が問題なのだ。

消費者や視聴者を甘く見ないこと。不正はいつか暴かれて、築いてきた信頼は一瞬で失う。誰だってわかりきっていることなのに・・・。


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