有権者を甘く見てはいけないよ

選挙が近くなると、各党はこぞって著名人を擁立し始める。つい先日も、女子柔道家や野球評論家が夏の参院選に出馬することを表明した。他にも元体操選手やプロレスラーの名前も挙がっている。「政治でも金メダルを取って下さい」とインタビューで応えていた人がいたが、そんなのはほんのひと握りだろう。自分は正直「いい加減にしろよ」と腹立たしくなった。政党的には頭数だけ揃えばそれで大成功、あとはイベントの看板役になってくれれば御の字と思っているだけで、政策に絡むような本来の仕事に関しては何も期待はしていないはず。なぜそれに気付かないのだろう。「国会議員」という肩書きが欲しいのか?

「タレント候補」と担ぎ上げられて、当選したものの「あの人、その後どうしたの?」っていう議員がほとんど。金髪の元女子プロレスラーなんて小学校で習う漢字も危ないのに、委員会が揉めた時には盾になって議長をガードしていた。その時は実に生き生きとした表情をしていたなぁ。

国会って「立候補します」と表明して勉強を始めても務まる場所なの? 「~のために尽力します」っていうけど、それだけやっていれば務まると思ってるのかな? っていうか、そんなに簡単にやりたいことをやらせてくれると信じているのだろうか。
国会議員ていったら、海千山千のひとクセもふたクセもあるオジサンたちが、年中あちこちに睨みを利かせているでしょ。出た杭は簡単に打たれるし、不穏な空気を察知すればたちどころに圧力をかける。総理大臣だって、与党幹事長には頭が上がらないのだから。野党に成り下がった政党も、与党末期に下克上っぽい流れになったけど、結局スッタモンダで野党に足元を掬われて、挙句腹の据えかねた議員が新党を立ち上げることになった。

昨年与党の代議士となったある新人議員、朝の辻立ちや集会では公然と党執行部を批判していた。先日行われた代議士会でも意見を述べると息巻いていたが、いざ蓋を開けると彼は何も発言をしなかった。「周囲の方々から指導があったから」だそうだ。彼はインタビューを受ける際にいつも先輩議員から窘められる場面があり、マスコミもそれを集中して放送した。
指導という名の圧力で、杭のごとく打たれてしまったのだろう。政治家を目指して当選してもこんな有様だ。恐らく狭い世界しか見てこなかったであろう元スポーツ選手やタレントが、年功序列の世界でやりたいことをやれるとは到底考えられない。

さらに気になったことがある。出馬表明をした女子柔道家が、すでに当選したような口ぶりで会見を行っていたことだ。「政治も頑張り、現役も続ける。もちろんロンドンオリンピックを目指します」 開いた口が塞がらなかった。二足のわらじを履けるほど、国会もオリンピックもそんなに緩いところなのか。これまで妻で母でありながら女子柔道界を席巻してきた彼女の努力には本当に目を見張るものがあり、また尊敬もしてきた。だが、右も左も分からない政界に飛び込んで、引退後なら納得するが現役を続けるという。いかがなものか。
立候補するのは自由だが、せめて世間が今どうなっているのかぐらいは勉強して欲しい。新聞を隅々まで読み、いろいろな世界で生きている人たちから、生の声を聞いて欲しい。そして、知名度があるから必ず当選するだろうという気持ちがあったら、それも捨てて欲しい。

我々有権者はこういう候補者には勢いで投票してしまいがちだが、演説から、表情から、そして姿勢から、やる気を感じ取って最終的な判断をしなくてはいけないと思う。

有権者は決して甘くはないよ。
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