完璧は望みませんが・・・

先週土曜日の「めぐみ音楽祭」は、自分の知らない部分の話を聴くことが出来、とても有意義なひと時でした。トータルで3時間のイベントでしたが、本編やその前後には首を傾げたくなる光景や興醒めの部分があり、少しだけ残念な思いをしたことも事実です。リッキーや自分はジャンルこそ異なりますが、イベントに関わる機会が多いので、どうしても目に付いてしまう部分が出てきてしまいます。市民団体のイベントで完璧を望んではいけないと思っています(もちろんプロのイベントでは完璧が当たり前)が、もう少し何とかならなかったのかなと、感じた点を挙げてみたいと思います。

☆使えなかった身障者用駐車場
当日はリッキーのクルマで出掛けました。この会場は駐車場からホールまで少し歩かなければならないので、身障者手帳を持参して専用のスペースに駐車させてもらおうと思っていました。案の定駐車場入口はごった返していて、係員に手帳を見せてお願いしたところ、「場所はおわかりですか?」と聞かれたので、わかりますと返答すると専用スペースの方へ誘導されました。ここまではよくある光景。
しかしその場所に行ってみると、3台分あるスペースにすでに1台駐車していて、あとのスペースは杭が差し込まれて施錠されていたんです。リッキーが抜こうとしてくれましたが、当然びくともせず。
「これじゃ意味無いよなぁ」
リッキーが珍しく怒っていました。仕方なくそのクルマの後方の、枠の無い部分に停めることにし、中へ入りました。
首からプレートを提げているスタッフに、スペースを開錠するようにお願いしようと近づいていくと、それを遮るようにリッキーが話を始めました。
「スタッフの方ですか?身障者用の駐車場が施錠されていて利用出来ないんですが、これじゃ何の意味もないと思うんですよ。至急開けてもらえませんか?」
「わかりました。ホールの方にお願いしてみますので」
でも、そのスタッフはすぐに事務室へは向かわず、相変わらず来場者の誘導を続けていました。
「ありゃダメだな、多分」
リッキーの勘は当たりました。帰る際も駐車スペースは来た時のまま。
「僕ね、2個の鍵穴の方向を覚えていたんだけど、来た時と変わってないよ」
新聞発表では1400名の来場者があったそうです。わずか3台のスペースでも少なすぎると思うのに、こういう状況下で、我々の後から利用したいと来場した人はどうしたんでしょう。

付け足しですが、入場するとスタッフが「こちらへどうぞ」と席まで案内してくれました。この日はすべて自由席だったのですが、前から5列目までは、障害者や高齢者のために枠をとっていたようで、我々も「敬老席」と表示された席に誘導されました。そのスタッフは「お若いのに申し訳ありませんが」と、ひとこと添えてくれました。
「こういうのは助かるね」
とふたりで話していた矢先、別のスタッフがやって来て
「そこは耳の聞こえない人が手話を見る席なので、別に移って下さい」
と、いきなり且つ高圧的に言われました。こんなところで議論しても始まらないと思い、後方の空いている席に移動しましたが、「敬老席」に案内されてそれは無いだろう、そして「耳の聞こえない人」と平気で言い放ってしまうスタッフの無神経さに、ただただ唖然とするばかりでした。

☆流れを把握していないMC氏
MC担当の方はプレートを提げていなかったので、スタッフなのか派遣されてきたのかはわかりません。どちらにしても、MCを担当する以上は、開演から終演までスムーズな流れを司るのが使命だと思います。そう考えると、とても残念だなぁと・・・。
40歳代ぐらいの女性で、流暢な話し方はかなり場数を踏んだ方のように見受けられました。ところが、右手にマイク、左手にはかなりの数の資料を握っていて、常にそれを見ながら話しているところを見ると、恐らく進行表や出演者のプロフィールが書かれたものではと推測します。場面が変わるごとにその資料を持ち替え、マイクに当たってガサガサとした音が会場中に響き渡ります。当然資料を探している間は、流れも一時停止状態。しらけました、ホントに。
資料を探し当てると、今度はそれを丸読み。だから、固有名詞を自身の思い込みで読んでしまうので、何の迷いも無く誤った読み方をするのです。「CRESC.&小坂真智子」でも2ヵ所ありましたし、他の出演者の出身校を「こくりつ音楽大学」と読み、すかさずリッキーが
「それ、くにたちだろ?」
と突っ込みを入れる始末。
来賓の挨拶や横田ご夫妻らを紹介している最中にも、舞台のソデで別のスタッフと資料を見ながら打ち合わせをしている様子が何度も見られ、とても見苦しい光景だと感じました。圧巻(こういう時に使うかどうかはわかりませんが)だったのは、横田ご夫妻らに記念品を手渡し、お礼を言おうとした滋さんを無視して、記念品を提供したスポンサーの紹介を始めてしまいました。早紀江さんの時も増元氏の時もです。その都度スタッフがMCに駆け寄って制止していましたが、3度目には会場が苦笑の渦に・・・。
社会的にも非常に注目が集まるイベントだけに、このMC氏には正直ガッカリしました。進行を円滑にし、出演者・来場者共に場を盛り上げなければならない重要なポジションです。いかにも「泥縄」と取られかねない「仕事ぶり」に、開いた口が塞がりませんでした。

☆自己満足
「音楽祭」ですので様々な演目があって当然だと思うし、それぞれが趣旨に賛同して出演をされているでしょう。今回の演目の中に、30年前宝塚を退団された方が出演されました。8年間トップスターだったことや、現在もディナーショー等で歌っていますとお話されていました。「魅惑のステージ」と銘打った演目の最初は、彼女の主宰するスクールの子供や大人30名ほどが出てきて、プチミュージカルを行いました。これ自体は5分ほどで終わり、「この続きは4月に観に来て下さい」という子供のひとことで、興行のインフォメーションとわかり、会場の笑いを誘いました。ここまではよかった・・・。
次に登場したのが「ベルバラ」ばりのドレスを纏った女性が2名。やはりミュージカルか?衣装を替えながら15分続きました。そして最後に本命の彼女が登場。これぞ宝塚と言わんばかりのバリバリの男装に身を包み、ピンスポを浴びて「おお宝塚」を歌いながら上手から登場しました。その後はシャンソンを4曲客席の通路を歩きながら歌い、最後は「マイウェイ」を熱唱して幕となりましたが、トータル45分間ずっと自身のこれまでの活躍を話されていました。
彼女のHPを拝見すると、確かに華やかな活躍が紹介されており、地元にミュージックスクールを開校して、後進の指導にあたっていることも記載されていました。
45分という枠は、主催者側から依頼されたのかもしれません。しかし、陶酔するまでは行かずとも、自慢話を耳にタコが出来るほど繰り返し聞かされては、たまったものではありません。趣旨を理解してそれに沿った演目を構成するのも、プロではないのかと感じました。途中からはとても拍手する気にはなれず、リッキーと腕組みをしたまま憮然としていました。
「もっと増元さんの話を聞きたかったよね」
終演後リッキーが言っていました。体力的な問題で、ご夫妻には長時間の講演は厳しいと思いますが、増元氏はまだお若いし、多くの方々と接触しながらご自身も大変勉強されているという印象を受けました。それ故、もう少し何とかならなかったのかと、残念で仕方ありません。このお三方が、揃って何度も自身の時計に目を落とし、講演時間を気にしながら話をされている姿が印象的でした。
あくまでこのイベントに足を運んでの主観的な感想です。「宝塚」を否定している訳ではなく、実際に講演と同じくらい彼女のステージを楽しみにされていた方もいらっしゃると思います。誤解の無いように、ひとことだけ付け加えておきます。

長くなってしまいましたが、わずか3時間のイベントでも、これだけ思う部分がありました。どんなイベントでも、足を運んだ全員が満足する内容というのは、なかなか難しいのかもしれません。今回のように、「音楽祭」という器の中に、最も関心のある被害者家族の現状を講演するプログラムをはめ込んだことで、どちらが「主役」だったのか趣旨がぼやけてしまったり、「身障者は二の次」という感を拭いきれない場面もありました。
これから我々もイベントが続きます。今回のことを心に留めて、ひとつひとつ丁寧に臨まなければと痛感しました。

長文読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

シチューパン #3p3E4xCk

 イベントは、制作側の姿勢がそのまま反映しますので、読む限りは金を使ったやっつけ仕事だったような気がします。
「めぐみ」と冠うっている事に、意識がないのでしょうね。

 障害を持っている方への気配りのいいかげんさはいろいろなところで腹が立ちます。健常者って何よと思うくらい無神経で、心がないことを平気でやります。こういう人は心に障害持ってるじゃんと思いますね。

 以前、「身障」と障害者を馬鹿にする男の子をえらくしかったことがありました。「あなたがやっていることは、あなたが馬鹿にしている人よりもずっと心のないいいかげんなことで、人間的に見たらあなたの方がずっとレベルが低い。」としかったら、親からすごい勢いでお叱りの電話をいただきました。「うちの子を障害者よりも下に見た。」と。比べるものが違うでしょと思います。人としてどうかは、ハンデをどこに持っているかの話ではないからです。でも、そう思っている大人が育てる子供はそう思って育ち、それが当たり前になるのでしょうね。
残念な現実です。

2007年03月06日(火) 06時54分 | URL | 編集

紅緒 #TEzGU1vU

心配りの難しさ・・

こんにちは。
身障者用駐車場のスタッフもMCもその場限りのことだけを考えて、せっかく「めぐみ音楽祭」に足を運んだギターオヤヂさんたちに不快な思いをさせてしまったのは…本当に残念です。
相手のことを思いやったらそのような言葉や行動はとれないはずです。忙しいと特に人はなかなか相手の立場には考えて話をすることはできないかもしれませんが、それでは前に進みません。
めぐみさんが音楽が好きだったので開催されたのだと思いますが、もっとイベントを行う際には細心の注意を払う必要があったのでしょうね。
企画された方たちにそういった目に付いた点を連絡する手段があるように「感想」などのボックスを取り付けるといいのかもしれませんね。
そうしないとこれからも今回のようにせっかくのイベントが興醒めしてしまいます。

また、音楽祭に足を運んだ訳ではありませんのでこんな言い方をするのは申し訳ないのですが、宝塚を退団された方のお話はもっと短くても良いのでは?と感じています。「めぐみ音楽祭」なのですから…もっとめぐみさんのためのイベントだということを認識されたら…と感じるのです。横田ご夫妻や増元さんのお話を聞く機会はなかなかありませんのでそちらに時間を回して頂いた方が来られた皆様にも満足が出来るような気がしています。イベントを企画する際には(特に大きなイベントの際は)趣旨をぼやけさせないように時間配分や、また、関わっているスタッフが心無い言葉を発する事のないように充分に時間をかけて主催者側が考えないといけないのだと思いました。

追加;
それにしても「国立音大」を「こくりつ」ですか…(汗)
確かにそう読めますが…他の立ち振る舞いも見苦しく、いかに事前にMCさんが準備をされていないかが分かりますね。今後はそれが当たり前になってしまわないことを望みますが…企画された市民グループにそういった反省があると良いですね!

2007年03月06日(火) 16時32分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

シチューパンさん

シチューパンさんは演劇の指導をされているので、イベントの制作について、通じるところがあったように思います。スタッフひとりひとりに、今回の趣旨が伝わっていなかったのか、音楽祭そのものに集中し過ぎて、その他の部分が蔑ろにされてしまったのか。「心がない」、そうだったのかもしれません。

それにしても、コメントにあった親子の情けなさといったら・・・。
何のために叱られたのかを理解出来ず、そのままを聞いた親が鵜呑みにして、またとんでもない異次元の怒りをぶちまけるとは。頭を抱えてしまいましたが、予想以上に多くいるんですよね、こういう親子が。
障害者って健常者と比べて何がどう低いのか、噛み付く親御さんに一度聞いてみたいですね。

2007年03月06日(火) 18時18分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

紅緒さん

主催者は、十分に準備をしたと思うんです。ゲストに失礼のないように、出演者にも失礼がないように。でも・・・来場者への気配りを忘れていましたね。席を設けて、障害者やお年寄りに負担がかからないように配慮したことはありがたいと思いますが、スタッフの無責任な言動で台無しになってしまいました。
記事には記載しませんでしたが、今回のイベントは昨年に続き2度目だったんです。それだけに「気配りが足りなかった」で、済ませてほしくはありません。つくづく残念・・・。

2007年03月06日(火) 20時40分 | URL | 編集


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