人それぞれなんだよ

 昨日帰り際に同僚から声を掛けられた。
「あと1ヶ月だね。どうなると思う?」
「何が?」
「昇格人事の発表だよ。上がるかそのまんまか。」
 彼はいつも唐突だ。自分はちょっとだけ不機嫌になった。
「昔からそういうのに興味ないんだよ。そういう器でもないし。」
笑い顔が多少引き攣っていたかもしれない。

 実は昨年12月、上司から昇格審査の対象者になっているから論文を提出せよと指示された。自分は昨年4月まで、「パニック障害」で1年半休職していた身だ。対象者になっているなんて、そんなこと頭の隅っこにもなかった。ただ、文章を書くのは嫌いではないしテーマも興味のあるものだったので、どうにか1週間ほどで仕上げ提出した。
 
 同僚は続けた。
「オヤヂは長いこと病欠してたから厳しいっすね。穴を開けちゃったっていうのは大きい。申し訳ないけど、これで万が一上がったら奇跡っすよ。」
「そっちは?」
「これだけやってるのにそのまんまだったら、ベル鳴った瞬間に片付けて帰るよ。」
彼は新卒で入社したので、キャリアは自分よりもずっと長いし歳も若い。等級もひとつ上だ。仕事も出来るし、他部署からの信頼もある。頑張っているという自負があるから、そんな台詞が飛び出したんだろう。それに常に上を狙うのは悪いことじゃない。

 自分は社会に出た時から、「出世」というものにまるで興味が無い。職務を全うすれば後からついてくるものだと思っているし、無ければ無いでそれは自分の力が所属部署の要求したレベルに届いていない証拠。問題があるのなら改めればいい。

 君に言いたい。生き方って人それぞれなんだよ。自身がそうだからって、目の前にいる人間も同じだとは思わないで欲しい。そして本人が熟知していることを、業務以外のことで上から目線で言うのはやめてくれ。人事は君が決めるものじゃないだろ?

 「病欠」ってひとことで言うが、不調だった3年間、特にその休んでいた期間の苦しみは、そういう考えの君には分からないだろう。病気になる方が悪いと言うかもしれないが、家族や親友、ブログの仲間が同じ目線で協力してくれなかったら今の自分はなかった。本当に長くて辛い時間だった。

 少しでも君の気持ちの中に思いやりがあるなら、誰ということなく病気を経験した人にダメ押しをするような台詞はくれぐれも控えて欲しい。君が病気にならないという保障はどこにもないのだから。

 生き方は人それぞれ、価値観もいろいろ。ただ、謙虚に生きた方が少しだけ幸せの数は多くなるような気がするのは自分だけだろうか・・・。
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