こんな曲を聴いてました

(以前から書き溜めていた記事です) 

 自分にとって、音楽のない生活は有り得ません。音楽好きだった父親の影響で、日曜日の朝といったらアルゼンチンタンゴのレコードで目覚め、保育園のお遊戯会で全園生のオーケストラをバックに「富士山」を独唱したり。以後自宅にいる時、運転をしている時、ライブに出掛けたり、そして自分自身も音楽活動をしているのでそう言い切れるのかもしれません。今さら「音楽とは・・・」なんて語るつもりは毛頭ないし、それほどのレベルもありません。ただ、好みというか拘りは当然持っています。

 アコースティックギターの音がとにかく好きだったことから、当然フォークソングの世界に没頭。その中から自分の好みに合ったアーティストが自然と絞られて、とことん聴き倒したものです。反戦歌のようなメッセージ性の強いものよりも、
①ギターの性格を十分に引き出してアピール出来る
②歌詞を見ずとも何を歌っているのか聴き取れる
③日本語の響きや使い方を大切にしている
こんなアーティストが好みでした。
 
 ①は「かぐや姫」&「風」の伊勢正三さん。先日の記事でも少しだけ書きましたが、彼の「Martin D-45」を聴いてからずっと憧れていたと言っても過言ではないほど、数々の曲に散りばめられたギターの音には魅せられました。当時夢中でコピーをしましたが、アドリブの部分が多くて耳コピーするのにずいぶん難儀したのを憶えています。「22才の別れ」「古都」などは未だに我々もライブで歌っています。

 ②に該当するのは井上陽水さん。「フォークシンガーがこんなに歌が上手くていいの?」と思ってしまったほど、彼の透明感のある声と歌の上手さにはインパクトがありました。彼は「Martin」と双璧をなす「Gibson」というメーカーのギターを使っていましたが、ストロークでガンガン掻き鳴らした時のジャリッという音も好きでした。
 割舌がいいという表現が適切かどうかは分かりませんが、当時歌詞カードを追わずとも歌詞がはっきりと聴き取れるのは彼だけでした。一字一句まで伝えようとする直向さがいい。

 曲の雰囲気も他のアーティストとは一線を画していた部分があって、「傘がない」「人生が二度あれば」は、当時15歳だった自分の「言いたくても言えない」気持ちに火をつけてくれたような気がします。反面「ちえちゃん」「少年時代」という叙情的な作品もあって、懐の広さに圧倒されたアーティストでした。「断絶」「氷の世界」のふたつのアルバムは、今でも大切に保管してあります。

 もう一組は「アリス」。谷村新司さん&堀内孝雄さんという圧倒的に歌の上手いふたり、耳心地の良いメロディーとの相乗効果でずいぶん楽しませてもらいました。「冬の稲妻」「ジョニーの子守唄」のようなアップテンポの曲や、「秋止符」「遠くで汽笛を聞きながら」のように歌い上げるものまで、個性的且つ多彩でした。もうひとりほとんど歌には参加しなかった矢沢透さん、天然キャラでライブではいつも爆笑の的でしたが、彼のドラムは実は相当なレベルで、スティックを握るとまるで人が変わったようなドラミングは、そこらのバンドとはちょっと違うよという印象でした。そうそう、「Morris持てばスーパースターも夢じゃない」という彼らのCMコピーは深夜放送族を席巻し、自分もMorrisギターを購入してしまいました。

 ③は何と言ってもさだまさしさん。デビュー曲の「雪の朝」そして「グレープ」を世に知らしめた「精霊流し」は、長いこと地味だ暗いだと若い人たちは敬遠気味でした。ただ自分は、伝統行事をテーマにし且つバイオリンを使っている作品なのに演歌にはならない彼のアレンジや、まるで手紙を読んでいるかのように展開していくストーリーに、ズルズルと引き込まれていってしまいました。日本語の持つ響きや比喩を巧みに使ってひとつの物語を完成していくパターンは、本人も「物語歌」と表現するほど意識していたようですし、それが決してお仕着せでないオリジナリティーが好きでした。「案山子」や「まほろば」「主人公」は秀逸の出来ばえだったと思っています。

 また一方で落研だった才能を発揮して、ちょっとしたジョークを組み入れたりするのも得意でした。「パンプキンパイとシナモンティー」「雨やどり」「関白宣言」がその代表的な作品ですが、どの曲も最後には聴く者を唸らせるまとめ方をするので、笑いっぱなしで終わらせないのはさすがとしか言いようがありません。
 ソロとして再出発してからも渡辺俊之氏や服部克久氏らが編曲を担当し、セカンドアルバム「風見鶏」では弦楽器専門のアレンジャー、ジミー・ハスケル氏を迎えて、作風は変わるどころかますます円熟味を増していきました。4枚目のアルバム「夢供養」までは、もしかしたら彼に神が乗り移ったと思えるほど、未だに色褪せない作品の数々を発表し続けました。

 ところが5枚目の「印象派」から作風は一変(自分の感覚ですが)、どの作品もメロディーが自分に合わない、聴いていて疲れる、そんな風に感じるようになりました。7枚目のアルバムまでは聴いてみましたが、聴くほどにフラストレーションが溜まり、自分のイメージしていた「さだまさし」からどんどん離れていく焦りを感じて・・・限界でした。弾き語りが出来ない曲、言い換えるとバンドやオケ向きの非常に複雑で難しい曲がアルバムを埋め尽くしていたことで、どれも遠い存在になってしまったと感じました。
 さだまさしさん自身が意識しているかどうかは分かりませんが、彼が紅白で歌う曲はその多くが「神が乗り移った」頃のもののような気がしてなりませんが・・・。

 そして村下孝蔵さん。その存在を知ってからこの世を去るまでとても短い時間でしたが、彼も日本という国と言葉をとても愛していたんじゃないかと思います。あまりに有名な「初恋」や「踊り子」「恋路海岸」は今さら語らずとも・・・ですね。1度だけライブに行きましたが、それがバンドではなくギター2本だけのステージ。いや~、鳥肌の連続でした。その中で知った「午前零時」という曲が一番のお気に入りです。返す返すも惜しいアーティストを失いました。

 この他にももちろん多くの曲に興味を持ちました。ただ打ち上げ花火のように1曲で終わってしまったり、あまりにアーティストのイメージが強過ぎて歌いたくても歌えない曲もありました。その中にあって上述のアーティストたちの存在は、自分にとっては特異なものだったんでしょう。何年経っても磨り減らない思い出に残る曲は、国宝に指定してもいいのではと思うほどです(笑)。

 え? オヤヂの好きな「STARDUST REVUE」の名前が出てこないじゃないかって? 彼らはデビュー当時から知っているし、長いこと売れない時期でも毎年ツアーを組んで、全国津々浦々まで足を運んでくれました。特に静岡では2~3ヶ所で公演を行ってくれるので必ず会うことが出来たし、行く度にパワフルで素晴らしい演奏や歌を堪能して、たくさん元気をもらうことが出来ました。25年間も聴いていれば、好きなアーティストというよりは「どうなるか最後まで見届けるさ」って心境になっています。

 音楽の話になると、どうしても記事が長くなってしまいます。すみません。次回は「こんな曲を聴いてます」という記事をご紹介します。

コメント

海月 #9xVGaoVI

こんばんは

わかります、わかります^^
私もバンドをやっていたり、バイトで歌う仕事もしていましたから
「音楽」は自分の生活の一部となっています。
テレビを見るよりも音楽を聴いている時間が長いです。
その時の思い出なども音楽と共に残っている事も
多いですよね^^

井上揚水さんは私も好きですよ^^
昔、知人から聞かされて揚水さんを知りました。
「9.5カラット」のアルバムが好きです♪
「スタレビ」の要さんの歌声は最高ですよね!
あの歌や歌詞に何度励まされたことか…
私も「スタレビ」を応援しています(*^^*)

2008年07月17日(木) 03時42分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

海月さん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

長い文章を読んで下さってありがとうございます。自分の思いを少しでも分かっていただけてうれしいです。海月さんも歌っていらしたんですね。音楽はいいですよね。今も「スタレビ」聴いています。

歌に励まされたり、たくさん元気をもらったり、音楽はなくてはならないものです。たくさんのアーティストから自分のお気に入りに出会うって、考えてみれば不思議なことです。それだけにとことん聴き倒してみようって思います。「スタレビ」応援して下さってうれしいです。ありがとうございます!!

2008年07月17日(木) 22時50分 | URL | 編集

あきとまと #-

音楽の記事はいいね。
どんなに長くても、いいね。

陽水さんでは、ちえちゃんもいいけど、小春おばさんが何故かいっとう好きです。
今でもちゃりんここぎながら歌っています。
村下さんの初恋と踊り子はカラオケで必ず歌います。

また、音楽のお話(昔の音楽のね)書いてね。
私のギターはD-45モデル(まねっこ)で、飾りがプラスチックっぽくて、下敷きギターとからかわれてました(笑) ではまた

2008年07月18日(金) 12時28分 | URL | 編集

蜩 #-

わぁ~懐かしい! の一言では語りつくせないですね。
ひとそれぞれの思い入れがありますから。

私は少し年代が下がるのでちょうどアリスの全盛期の頃でした。
自分のブログでも書きましたが、チンペイさんの大ファンで深夜放送は欠かさず聴いていました。その時のCMが「Morris持てばスーパースターも夢じゃない」で、私も買ってもらいました。(笑)
大ヒットした曲より、アルバムの中にある隠れた名曲の方が好きでした。

さだまさしさんは高校の時の友達の影響で聴くようになりました。
タイトルの面白さ、曲種の豊富さ、言葉の美しさは言うことありませんね。
私は『風見鶏』がお気に入りで、『最終案内』『つゆのあとさき』なんか良いですね。残念ながら『夢供養』は持ってなかったです。

村下孝蔵さんはあまり詳しくないのですが、あの声が何とも言えなくて鳥肌が立ちました。
あまりに早い逝去だったので残念です。

アコースティックギターの響きは大好きです。
『22才の別れ』のイントロなんて最高です!
あまりに懐かしくって、昔のテープ出してきちゃいました。(*^^)v
これから何曲か聴いてみます。



2008年07月18日(金) 13時34分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

あきとまとさん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

あなたも音楽好き、フォークソング好きですもんね。長い記事を読んで下さってありがとうございます。自分の好きなことは、ついつい長く書いてしまいます。

心に残った歌と言うのは、自然と口ずさんでしまいますよね。「初恋」をよく歌います。サビのところではなぜか主旋律ではなく、下のパートを歌ったりして(笑)。

「D-45」のスタイルは、どのメーカーも酷似したモデルを発売しましたよね。それだけ注目度が高かったんだと思います。「下敷きギター」とは、ずいぶんな言われ方ですね。大切なギター、現在でも健在なんでしょうか?

2008年07月18日(金) 23時46分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

蜩さん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

「懐かしい」と言って下さってうれしいです。書いた甲斐がありました。蜩さんは「アリス」のファンですものね。それもコメントを読む限りでは相当熱烈ですよね。Morris買われたんですか?それはそれは。あの頃はギターといえば、MorrisかYAMAHAが人気を二分していました。

蜩さんとは好みが合うのでしょうか、「つゆのあとさき」は忘れられない1曲です。「ひとり歩きを始める 今日はきみの卒業式・・・」わずか1行目からジワリときます。

カセット、聴かれていかがでしたか? CDに比べれば格段の差を感じますが、アナログのやさしいギターの音が懐かしく響いたのではと思います。自分も今、「風」のカセットを聴いていますよ。

2008年07月19日(土) 00時04分 | URL | 編集


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