講演会でわかった大人たちのネガティブさ

昨日浜松へ行き、予定通り「いじめ」「日本の子供と外国の子供の比較」について、リッキー久保田と共に話をさせてもらいました。演題は、
「日本の外側から、日本の文化を考え直す」
主催はその地区の社会福祉協議会。どんな活動をしているのか、文字からは何となく想像はつきますが、今ひとつよくわからない。それが、聴講者やスタッフの態度に如実に表れました。

直接対応して下さった研修部の部会長氏は、腫れ物に触るような気の遣いようで、PAをセッティングしている我々に張り付き状態。予め胸につける花や横断幕はお断りしてあったので問題はなかったのですが、
「ご紹介は、我々の方でやらせていただいてよろしいですか?」
「ご紹介した時に後ろから入場していただいて、拍手でお迎えする形にしたいのですが」
そこで、リッキーがひとこと。
「今日の主役は来ていただける方々ですし、仰々しい紹介は本意ではありません。客席に座っていて、司会の方に呼んでいただいたら、あとは任せていただけますか?」
食事中にリッキーが言ってましたが、講演会っていつもこんなものなんだそうです。

午後1時に受付が始まりましたが、聴講者は年配の方ばかり。しかも、みんなきっちりネクタイを締めていました。おまけに入口付近に屯して何やら話していました。
「こんな難しい演題じゃわからんよ。座ってるだけでいいんだろ?」
「フォーク? 俺は演歌の方がいいなぁ」

午後1時30分開演。会長氏の挨拶の後紹介を受け、演壇に上がりました。準備した120席は大方埋まっていましたが、7割がどんなにひいき目で見ても6~70歳代。とうに子育てを終えて、悠々自適に暮らしているような年齢層ばかりだったんです。「座っているだけでいい」と言う人たちが、今回のテーマで話を聞いても・・・。

まず、リッキーがネパールの子供たちの話を始めました。

・ノートが無いので、算数の授業を運動場で行う。
・画用紙を渡しても、もったいなくて使えない。絵を描いてくれないかと頼んだら、わら半紙のさらに質の悪い紙に、色鉛筆で丁寧に描いてくれた。多分、今でも画用紙は教室に飾ってあるかも。
・水や食べ物を絶対に無駄にしない。物をとても大切に扱っている。
・学校へ来ている子供たちは、みんな勉強したがっている。知識を身につけて、両親や兄弟たちに少しでもいいから、楽な生活をさせたいから。

ネパールの子供たちの笑顔は、とてもきれいだそうです。日本はどうでしょう。何の目的も持たずに学校へ「行かされている」生徒がどれくらいいるでしょうか。兄弟がいるのに、毎年新しい楽器や道具を買わされるし、学年が上がれば学用品もすべて買い換えます。高価なものを望まなければ、欲しい物はすぐに手に入る日本。それが当たり前になっているくせに、変な理屈をこねて給食費を払わない親たち。
ひとりひとりが、ほんの少しだけ
「もったいない」
という意識を持てば、僅かながら無駄遣いは減るのではと思いました。

「いじめ」については、自分の経験を元に話をさせてもらいました。登校拒否寸前まで精神的に追い込まれたのを救ってくれたのは、いっしょに行動してくれる友達がいたことと、担任のフォローでした。書き始めるとかなり長くなってしまうので省略しますが、リッキーとの共通の意見は、
「大人の世界でもいじめはある。会社や組織の中でそれがある以上は、子供たちのいじめはなくならない」でした。

「演歌の方がいい」という人たちの前で、我々はフォークソングを3曲歌いました。退屈そうな表情が一変したのは、リッキーからの最後のひとことでした。

「今日動員された方、正直に手を挙げてもらえませんか?」

ホール内の空気が一瞬固まり、その直後ひとりの女性が手を挙げました。すると、辺りを見回して明らかに驚いている様子。
クルマに乗り込む際に、研修部会長氏が言い訳のように言っていました。
「地域に千枚ほどパンフレットを配ったんですが、昔からPTAが協力的ではなくて・・・。いろいろ策は講じているんですが」
帰りのクルマの中で、リッキーが言っていました。
「今日のはほとんど動員だと思うよ。あの手を挙げた女性が見回して驚いてたろ? それから、メモを一生懸命にとってくれていた人たちは、学校の教員だって。質問に来てくれたからわかった」

今回の演題を見てもらえば、どの年代層に聞いてもらうのが1番的を得ているのか、わかってもらえると思いますし、人が集まらないからと、なぜいきなりマイナス志向からスタートして、講師に気を遣うために帳尻合わせをしてしまうんでしょう。せっかくの機会も、お互いに気まずい思いが残るだけのものになってしまいました。

友達だから言うのではありません。リッキーは、皆さんが想像を絶する多忙さの中で、数多く講演を引き受けています。しかも、誰でもが難しい話を好む訳がないことくらい、重々承知をしています。いかに面白く、楽しく、そして考えさせるようにするか、常に努力しています。
今回この地区の方々は、本当に貴重な機会を逃した、それこそ
「もったいない」
と、思ってしまった訳です。

講演会の様子は、こちらからお入り下さい。

コメント

シチューパン #3p3E4xCk

せっかくの講演会、ちょっと残念でしたね。
動員・・・、分かります。組合とかの講演会では、動員がかかります。
行けば良い話が聞けることは分かっているのですが、皆行くのが決意がいります。いろいろな仕事をほっぽって行くことになるので。時間設定によっては、休みを取って行くんです。
図書館教育の研修会の講演も、だんだん聞いている人の数が少なくなって、分科会だけでればいいよねと言う人もけっこういます。参加人数が少なくなって、最初のころは大学の講堂を借りて行っていましたが、今年は高校の体育館でした。
聞くべき人たちは、日々に忙殺されて聞けない。暇な人に動員がかかるけど、暇つぶしの時間以外の何ものでもないなんて、ちょっと悲しい。
メモをとっていたのは教員だったって、分かりすぎて笑えました。
でも、それでも出会いは意味があると思うのです。
来た方の中で一人でも心に響けば、そこから新たな道は伸びていくと思います。
めげずに、機会があったらまた頑張ってね。
お疲れ様でした。

2007年01月29日(月) 05時58分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

シチューパンさん

いつも出勤前の早朝に、コメントありがとうございます。

百戦錬磨のリッキーは、実に冷静でした。
歌や自分の話なんて完全に余計なものだと思いますが、彼の話は本当に面白くて、しっかりと聴講者に考えさせるから、それだけに残念で仕方なかったです。

2月1日に、3日放送のラジオ番組の収録に出向きます。リッキーとそんな話になると思いますが、「やわらかく穏やかにチクチク」と指摘したいと思っています。

2007年01月29日(月) 12時12分 | URL | 編集

はらぐろ #mQop/nM.

ギターオヤジさん
お疲れさまでした。浜松までって、結構遠いですね。本当にお疲れ様でした。一番聞いて欲しい、世代の方が来られていなかったというのは、本当に、残念でしたね。。。でも、もし、望まれた世代の方が来ても、興味が薄く、椅子に座っているだけの方が来て話しをきいても、こういう貴重なお話は、ピンとこないこともあるかもしれません。かえって、
世代が上の方が来られて、話を聞いて、こんないいお話を聞いたよって、息子さんや娘さんに、そしてお孫さんに伝えていくって事もあるかもしれません。
活動をされていることは、決して無駄な事ではないと思います。おそらく、お話を聞いた方はみなさん来て良かったって思っておられると思います。継続は力なり。です。がんばって下さい。
若造が生意気な事書いて、すみませんでした。

2007年01月30日(火) 20時33分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

はらぐろさん

いつもありがとうございます。
浜松は何度も行っていますが、都心へ行くよりも遠いんです。友達は、週に4日、東名を使って往復しています。ホント、頭が下がります。

講演会に関しては、はらぐろさんの言うようにプラス志向で考えることにします。人づてだと、伝えたいことが半分ぐらいになってしまうようにも思えますが、友達のサポートとして伝えることを続けていけば、何かしらの反応が返ってくることもあるでしょうね。

「若造が生意気な事書いて・・・」なんて、とんでもない!
はらぐろさんのコメント、本当に気持ちが和らぎます。調子があんまり良くない時など、これまでのコメントを読み返したりもするんです。
これからも、よろしくお願いします。

2007年01月30日(火) 22時03分 | URL | 編集


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