少年院への訪問

静岡市の郊外にある、中等少年院「駿府学園」を訪問してきました。オヤヂが名簿を汚しているNPO「夢楽団」(現在法人化申請中)が、来年度の慰問をお願いしているため、学園長へのご挨拶と施設の見学が目的です。「夢楽団」発起人のズィズィ鈴木理事長が学園長とお知り合いだったことから実現したものです。本当ならば相棒のリッキーと3人でお邪魔する予定でしたが、大学の急用で欠席。東名静岡I.Cでズィズィ鈴木氏と合流、猛暑の中1時間40分の道のりでした。

「駿府学園」は、閑静な住宅地のはずれにありました。外見からは、そのような施設であることは想像出来ません。塀も低く、民家も道路を隔てて数件ありました。
まず会議室に通されました。建物の中はとても静かで、物音ひとつしませんでした。続いて松本学園長にご挨拶しました。そこでちょっとしたトラブル発生。
「現在慰問の申し入れはお断りしているんです」
学園長のひとことに、ズィズィ鈴木氏が反応。
「先日見学をお願いした時に、担当の方が慰問の受付をするというから、今日来たんですよ。話が違うじゃありませんか」
聞けば、更生施設に課せられるカリキュラムが相当に立て込んでいて、慰問に割く時間が取れないというのです。ズィズィ鈴木氏と話をした職員の方は他から赴任したばかりで、まだ施設の方針がわかっていないということでした。この時点で、慰問は完全消滅です。
「ここにもゆとり教育のシワ寄せが来ているんです」
学園長は、このように仰っていました。
「見学はどうぞなさって下さい」
と、さっそく施設内を案内されました。

施設は職員のいる管理棟、院生の生活する居住棟、作業や教育を受ける教育棟で構成されています。外に面している管理棟だけに、窓には鉄格子が設置されていました。教育棟へ向かう途中に鉄製の格子扉があり、開錠して中へ入ります。これから先の建物には、鉄格子などは一切設置されていません。

講堂、研修室、作業場と案内されましたが、外は猛暑。各室内は窓が開いているもののむせ返るような熱気でした。エアコンなど設置されていないのはわかっていましたが、あまりの暑さに眩暈がしたほどです。どんどん汗が噴き出して、身の危険を感じました。

院生が休憩中だったので、居住棟の部屋の中は見学出来ませんでしたが、中庭から葦が下された各部屋からは、物音ひとつ聞こえてはきませんでした。廊下だけ見せていただきましたが、棟の中央には教務員の方が1名待機していました。部屋の中も、相当な暑さのはず。

会議室に戻って、再び学園長とお話をしました。
「ここには、虐待を受けた子供たちが多く入院してきます。ずっと暴力を篩われ続けてきて、体が大きくなって少し抵抗してみたら、なんだ、親父ってこんなに弱かったんだと、そこから形勢逆転となって子どもたちは暴力を篩い始めるんです。学校では人に親切にせよという反面、知らない人が声をかけてきたら逃げろと言う。振り回された子供たちだって被害者だと私は思います」
重い言葉でした。でも、それをどうやって受け止めたらいいのか、オヤヂには少し時間が必要です。

慰問の計画はなくなってしまいましたが、とても貴重な時間を過ごすことが出来ました。

○「駿府学園」概要
関東甲信越・静岡管内の家庭裁判所で、初等または中等少年院送致決定を受けた少年のうち、短期間で改善・更生する可能性が大きいとされた、おおむね18歳未満の少年が生活しており、日々改善に取り組んでいます。

○2つの教育コース
「駿府学園」での教育には、進路に応じて2つの教育コースが用意されています。なお、標準教育期間は5ヶ月となっています。
・教科教育課程
中学生及び高等学校等への進学を希望する少年のコースです。主要5教科の基礎をしっかり学びます。
・生活訓練課程
出院後の進路及び就職先等を明確にするために必要な、職業上の知識及び技能の習得に励みます。

○教育課程
・新入時教育課程
①園内生活における決まりについて学びます。
②自分の問題点を見つめ直し、改善のための方法を見つけます。
③前向きに教育活動に取り組む姿勢を育てます。
・中間教育課程
各教育コースの教育活動や、個々の問題性の改善に本格的に取り組む時期です。
・出院準備教育課程
①社会人としての自覚を促し、出院後の生活設計を明確にさせます。
②規律を守る生活態度を定着させます。
③奉仕活動や社会学習を通して、社会の一員としての体験から多くを学びます。

コメント

海月 #9xVGaoVI

おはようございます

毎日、暑いですね^^;
体調はいかがですか?
大丈夫ですか?

暑い中、お疲れ様でした。
学園長様のお話・・・
胸が痛くなりました。
「ゆとり教育」とは本当にゆとりなのかな?
なんて思ったりします^^;

今日も暑くなりそうです。
ゆっくりと身体を休めてくださいね(*^^*)

2007年08月11日(土) 06時34分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

海月さん

こんばんは。
ありがとうございます。今日も暑かったですね。やはり昨日の疲れが出たのか、今はダルダル状態です。

昨日訪れた「駿府学園」は、短期間で更生出来そうな少年が入院しています。しかし学園長が以前勤務していた場所は、かなり重い罪を犯した少年たちが入院していたそうで、話を聞いていくと「罪を犯しても仕方ない」と思えるような過去を背負っているのだそうです。「彼らは、加害者であると同時に被害者なんですよ」という言葉が印象的でした。

2007年08月11日(土) 22時44分 | URL | 編集

シチューパン #3p3E4xCk

 難しい問題ですね。
 自分の関わっている子も、場所こそ違え入院しています。

 親は一生懸命です。でも、どこかずれている。
 お兄ちゃんもそうだったし、妹もそうですが、学ぶということと耐えるということの基準が違っている。やってるじゃんと、本人は言いますが、やはりずれているので、力にならない。
 悪いことをする。親は怒る。手が出る。他に叱り方を知らないので。子どもはそれを覚える。他から見れば虐待でも、本人達には筋の通った事だったりする。そして、それが何世代にも渡って繰り返されていく。連鎖は止まりません。
 でもね、学校制度がきちんと整って、まだ半世紀なんです。その前は、学校があっても貧しくていけない子や身売りが当たり前にあったんです。
 ずっと今の世の中で過ごしてきたみたいに思って、親のやっていることを今だけのことと捕らえて断罪は出来ない。
 でも、そこで育てられゆがんでしまう子どももいる。
 社会が、教育が正すべきことに背を向けて裁くことだけ躍起になっているように感じます。

 難しい問題です。
 
 慰問、出来なくて残念でしたね。
 ああ、でも10代にはフォークは古いかもしれない。
 来るべき次の機会に備えて、新しい歌をレパートリーにする必要ができちゃったかな。

2007年08月13日(月) 07時19分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

シチューパンさん

おはようございます。
キャンプ(ビリー軍曹ではないよ)、楽しめましたか?

まったく仰るとおりです。
それぞれのポリシーがズレてしまっているので、その積み重ねで大きな溝が出来てしまっています。自分を肯定しながらの行動ゆえに、考えの異なる相手の行動を指摘したり非難したりします。結局進む先がわからない・・・。
あれだけ熱かった義家君の顔つきが、最近変わってきてしまいました。痛みを知っている彼でさえ、迷走する教育に手を拱いているようです。政治家先生達の使い走りになってしまうのかな・・・。

2007年08月13日(月) 08時59分 | URL | 編集

ラフ #X.Av9vec

僕が仮退院したじきぐらいの記事ですね。
学園長の言葉はかなりの生徒に当てはまっていたと思います。実際自分も同じ感じで入ってましたし(汗
一般短期の子ばかりなので向上心のある子たちばかりだったんですが、2007年は違反行為者が多く荒れているほうだと先生方は言ってましたね。

今では本退院も済ませました。
その分、罪の意識も薄れてきてしまい、戒めるべく駿府学園を調べたらこのサイトを発見させてもらいました。

久しぶりに担当先生に手紙を書こうと思います。

2010年01月29日(金) 20時08分 | URL | 編集

ギターオヤヂ #QjtTlS4.

ラフさん

はじめまして、立ち寄っていただきありがとうございます。
だいぶ前の記事なので、何度も読み返して記憶を引き戻しました。あの日はとてつもなく暑い日で、特別な緊張感もあってか汗が止まることがありませんでした。しかも学園長のお話は親である自分に一石を投じる形となって、それから長い間気持ちの中に留まっていました。

人を悪者にしてしまうことは簡単なことです。意識していなくても生活している中で人は色分けをしてしまいます。それを「おかしいのでは?」と振り返ることの出来ない大人が多過ぎます。

音楽の相棒の息子さんが、一昨年から某県の施設で法務教官として勤務しています。もちろん施設内の話をすることはありませんが、「日々いろいろなことを考えさせられます」と神妙な表情でひとこと。

先生への手紙、きっと喜んでくれると思います。ラフさんにとっても貴重な時間だったに違いないでしょう。ゆっくりゆっくり紐解くようにペンを進めて下さい。そして、よかったらまた遊びに来て下さいね。

2010年01月29日(金) 23時22分 | URL | 編集


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