手放しでは喜べないな・・・

地元・富士山が世界文化遺産に決定した。悲願だった自治体や地元観光産業に従事する人たち、そして一般住民が諸手を挙げて大喜びした。特に当初除外が条件とされていた三保の松原も登録となったのだから、静岡県側は大変な盛り上がりとなった。これからは国内ばかりではなく、海外へも知名度を上げて外国人旅行者の集客を目論んでいるだろう。登録の申請には調査費やプレゼン等で莫大な費用がかかると聞く。それをチャラにするためにも、これから観光へのテコ入れが本格的に始まるに違いない。

ただ、これから先、登録された喜びと同じほどの様々な問題に、各地は頭を痛めることになる。夏の登山者が年々増加し、登山道の渋滞やゴミ、トイレ不足によるし尿の垂れ流しは以前から問題になっていたが、登録になった途端周辺の交通渋滞が始まった。三保の松原にも観光客が大挙して訪れ、1本しかない県道は大渋滞。急遽臨時の駐車場を用意して市の職員を誘導係に駆り出した。土産物屋の主人は、「GW以上の方が訪れたと思う。来ていただくのは大変うれしいが、受け入れする態勢が出来ていないので住民の生活に支障が出るのではと心配している」と、やや困惑気味で話していた。
そして昨日のニュースでは、埼玉のFM局が8合目にブースを設置して生番組を放送するというし、ニコニコ動画では毎朝ご来光を中継するのだという。開いた口が塞がらない。

かなり前の話になるが、静岡県側も山梨県側も5合目までクルマで上がれるようになってから、少しずつ環境破壊が始まった。次から次へとマイカーが訪れ、そこから山頂まで登山する人も大幅に増えた。産業廃棄物を投棄する輩まで現れた。やがて両県はハイシーズンのマイカー乗り入れ禁止の措置を取ったが、バス、タクシー等は対象外のため2合目辺りからのピストン輸送のせいで、登山者数を抑制するまでには至っていない。

他の登録された場所を調べてみたが、島根県・石見銀山も登録された途端に観光客が押し寄せ、激しい交通渋滞を引き起こしたり沿道の民家の植物が盗まれたりという事件が頻発した。地元は地域への車両の乗り入れを全面的に禁止したが、最寄の駐車場から5Kmも歩かなければならなくなり、観光客が激減して土産物屋や宿泊施設から改善の要請が出ているという。
一方合掌造りで有名な岐阜県・白川郷も、渋滞・騒音・ゴミ問題で対応に苦慮している。600人ほどの静かな集落に連日多くの観光バスやマイカーが押し寄せるのだから、生きた心地はしないのではないだろうか。

やがて、富士山も同じ運命を辿ることになるだろう。しかしながら、登録を管理している「イコモス」は登録に際しいくつかの改善点を指摘していて、それが改善されなければ数年後に登録を取り消すと明言している。これらの問題と向き合いながら且つ指摘された点を改善していかなくてはならないのだから、喜んでばかりもいられない。
個人的な意見を言わせてもらえば、世界遺産に登録されることは本当に名誉なことなのだろうか。今まで手の届かなかった部分へ手を入れることで、必ずやその弊害は生じるだろうし、一旦登録されれば「荒れるので来るのは遠慮して下さい」と呼びかけるのもおかしな話。だったらいっそのこと今までどおりが1番だろうと思ってしまうのだ。富士山はもともと観光地で、年間を通じて多くの観光客が訪れる。それではダメなのだろうか。

窓を開ければいつでも富士山が見えるし、さらに富士山に近いオフィスからは窓いっぱいにその雄姿を拝むことが出来る。だから、こんなことを書いても普段見ることが適わない人にしてみれば「何を言ってるんだ」とお叱りを受けるかもしれないが、莫大な時間と費用の見返りとしては、あまりにも帳尻が合わない・・・と感じるのは自分だけだろうか。
山形・出羽三山が登録候補に挙がった時、当時の県知事は負担の大きさと登録後の混乱を見据えて申請は行わなかったという。当然強い反発はあっただろうと察するが、自分はこの県知事の勇気ある判断に強く共感した。

最後に、富士山は見る(眺める)山であって、登る山ではないと思う。「霊峰」、つまり神々が宿り、集う神聖な山なのだ。多くの足に踏みつけられることで、世界遺産から「負の遺産」にならないことを願うばかりだ。

◆長尾峠からの夏富士
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お久しぶりです

どうにか生きてました。
仕事、長男の高校の役員、地区の役員が三つ巴になって、もう二進も三進もいかなくなってしまいました。その中でルーティーンのライブも行ったので、とてもブログに手が回りませんでした。親しい方からは「生きてる?」「やめたの?」なんてメールは飛んでくるし、自分のペースで書こうと思っているうちに5ヶ月も経ってしまいました。少しずつ落ち着いてきたので、ぼちぼち更新していこうと思います。

そして、今日の記事は「新しいカメラとレンズを購入」というお話です。
新しいといっても両方とも中古です。とても新品は買えません。購入の動機はいろいろありますが、頑張った自分へのご褒美ということで。
4年間使った「Nikon D300」のDXフォーマットの狭苦しいファインダーに飽きたこと、舞台撮影の機会が多くなったので、ISO感度を上げてもノイズが乗らないこと、秒9コマの連続撮影が可能なことから、FXフォーマットの「Nikon D3S」というカメラが欲しくなりました。そこでオークションやら中古専門のネットショップを探して、結局「キタムラ」から購入。常用レンズもDX用で対応不可のため、「Nikon 24-120mm F3.5-5.6」を同じく「キタムラ」から。やっぱりカメラ店が安心出来ますからね。

「D3S」も発売から3年半が経過していて、すでに後継機の「D4」が60万円近い値段で販売されています。有効画素数も平凡な12メガピクセルで、それなら新品で価格も安く、36メガピクセルの「D800」を買った方が・・・とも思いましたが、ISO12800までそれほどノイズが出ず、暗い被写体に対して手持ちで撮影出来るからなんです。人工的な光源(ストロボ)を使用出来ない場面で、これは大きな武器になります。画素数も商業写真を撮影する訳ではないので、RAWで撮影すれば気になるレベルではないし、記録媒体もCFが2枚装着出来るので容量的にはまったく問題ナシ。何よりファインダーを覗いた時の広々とした視野が新鮮でした。フィルムカメラと同じ視野率なんですが、2台(F4S、NEW FM2)持っていても滅多に使う機会もなかったのでただただ感動。シャッター音も「電子音」ではなく、メカニカルで気持ちが良いです。でも、腕が抜けそうなぐらい重い・・・。

舞台撮影はもちろん、好きな航空機やマクロ撮影を楽しみたいと思っています。

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